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東大オケ♪練習日記

東京大学音楽部管弦楽団の団員によるブログです。

コントラバスの調弦と修理と変態について

今日はよもやま話です。
「コントラバス弾きという世にも珍し~い種族なんだから、
もっとそれを打ちだしたらどうか」
とのアドバイスを頂いたので、
せっかくなので今日はコントラバスのお話をさせてください。

実は今日、夕方に弦楽器の山本というお店に出かけてまいりました。
このブログを眺めているうちのほんの一握りである、
コントラバス弾き達しか知らないと思いますが、
これ、「弦楽器の」とありますが、日本に数少ない(多分両手で数えられるくらいしかない)
コントラバス専門店なのであります。

でまあ、何しに出かけたかといいますと、先月指板の取れてしまった楽器を修理に出してきました。
ついでにお年賀まで頂いてしまいました。
(去年はお茶葉だったなあ…。)
その際に伺った話が…
H線の下のFis線ってありませんかねえ…。

コントラバスを弾く人は頭がおかしいと思う(か、よだれをだらだら垂らす)んですが、
一般の方には何を言ってるのかさっぱりだと思いますので解説をば。

コントラバスの調弦は上からG/D/A/Eと(階名で言うとソ・レ・ラ・ミ)になっています。
これが現代における一般4弦コントラバスの調弦です。

ちなみに世の中には変則調弦が沢山あります。
弦楽器以外の方にも判る様な簡単な説明は、
ウィキペディア先生がご説明下さっていますので、
そちらをご参照ください。
この変則調弦、「音色を変える」のが目的な場合と、
楽譜を弾きやすくする、或いは特殊な重音を出す」のが目的の場合と、
大きく2種類に分けられます。

音色を変える」のが目的な場合の最も有名な例は、マーラーの交響曲第4番でしょうか。
一方、「楽譜を弾きやすくする、或いは特殊な重音を出す」のが目的の場合の有名な例は、バッハの無伴奏の5番でしょうか。
コントラバスの場合、ソロ・チューニング、ウィーン調弦、
はたまた5度調弦(コントラバスは基本的に4度調弦です)、混合調弦…。
こう言った話が好きな人はこれでも涎を垂らすんですが、
私はそこまで変態ではないので紹介に留めておきます。

閑話休題、私が今借りている楽器は5弦なので、一番右にH(シ)線が張ってあります。
コントラバスにだけもう一本弦が増えたりするのは、
ヴァーグナーがさらなる低音を要求したことによるんだそうです。
これで、チェロのオクターヴ下の音まで出せることになります。
「H線」というのはこの弦のことになります。

ということは、H線の下のFis線というのは、この右に6本目が張りたかった…訳ではありません。
それではヴィオラ・ダ・ガンバになってしまいます。
ちょっと、吹奏楽にお出かけに行く予定が入ったのですが、
吹奏楽でのコントラバスというのはそんなに高音を要求しません。
大体G線上のFくらいまで、低い場合はCすら行かないことも。
と言うわけで、いらないG線を取っ払って、H線の下にFis線を張ろーではないか!
そして、チューバと同じ音を弾いて世間(コントラバスを知っているヒトの狭い狭ーい世界)を
あっといわせてやろうというのが私の目的でした。
なにしろチューバにかき消されるのが宿命、
コントラバスは楽器をくるくる回すのが主な仕事みたいに見られている吹奏楽、
せめて音域くらい一緒に弾きたい、というのが発想の出発点。
どうです、コントラバスの超超重低音、聴いてみたくはありませんか?
(尚、Fisである理由は、Hから4度下だからです。)

ちなみに、コントラバス弾きというのは低い音に憧れる習性があるようで、
2年前の定期演奏会、アンコールでラフマニノフのヴォカリーズをやった際に、
偉大な変態先輩が、
E線をCisに、H線はなんとGisまで下げて
それはそれはもう実に嬉しそうにしていたのを昨日のように覚えています。
楽器を初めて1年目、まだ大して変態でもなかった私は、
コントラバス弾きとはこれほど低音に憧れるものなのか…」と横目で眺めつつ、
自分の楽器は4弦だったのでE線をちゃっかりCisに下げて弾いておりました。
それから2年、私もある意味立派に変態に成長してしまったというわけです。
ちなみにその先輩は、このブログの前任者でもいらっしゃいます…。

おおお、たった一言を説明するのにこれだけかかってしまいました。
恐らく読者対象10名以下のコントラバス弾きというこの記事、うううん…。
やっぱりこの路線は微妙かなあ…。

え、質問の答え?
ないですねえ。
そ、そこを何とか弦のメーカーとかにお願いできませんかねえ…。
何十本単位じゃないと無理ですねえ
およよ、私の野望は露と消えたのでありました。
同じ希望をお持ちの方、どなたか取りまとめて世間に革命を打ちだしませんか?
無理?ううううん…。
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コメント

うんうん

こんばんは 初めまして、コントラバスの関連からこのブログを見つけました
涎は垂らしませんでしたが頭はうんうんと頷いて読みました
娘が吹部でコンバス弾いてます
その前はオケ部で6年間ヴァイオリンでした
オケ部入部の際、木管希望からヴァイオリンになり次の吹部で念願のクラになったのも束の間、2ヶ月でコンバスにコンバートされその間にマーチングのバスドラを叩いて6ヶ月、2ヶ月前からOBオケでヴァイオリンが復活、最近次の吹部自由曲用に5弦を弾くとなり…なんとも忙しい毎日を送っています
本人も言ってましたが調弦・譜読みだんだん頭がぐるぐるして来ると…
コンバス・ヴァイオリンを知識では知ってはいますが、ピアノのしか弾けない私には考えただけで頭痛がして来そう
うんうんと頷くも頭痛がしそうなブログでしたが、とてもためになりました
娘にも読ませます
ありがとうございました

  • 2012/01/09(月) 03:22:22 |
  • URL |
  • momomama #-
  • [ 編集 ]

オクトバスや五弦エクステンションや六弦のコントラバス

コントラF#音は人間の可聴帯域(20ヘルツ)を下回る予感が。
また、音ではなくいわゆる超低周波振動の世界。
ご存じかもしれませんが、過去には同じ事を志向してコントラバスのさらに下、巨大なオクトバスが製作されたりしました。
現存する物はあのベルリオーズの「真夏の夜の夢」の初演(ベルリオーズ自身がタクトを振った)で使用された五メートル超の物。(現場写真が残る)
ただし、それっきりお蔵入り(移動や取り回し、出来る場所や演奏性に問題山積)して現在は博物館に堂々と磐座(御神体)の如くに御鎮座。
但し単なる飾りものでは無く現役で演奏可能な状態(メンテも兼ね定期的に職員が演奏。)
YouTubeでも有ったとおもいます。
そこには、あなた様の意図した音と音域が有ります?。

また、文献上では様々に製作されたようで、十メートル?物(いずれも数人掛かり(楽器を支える係。革手袋で弦を押さえる係。弓で弾く係??)で涙ぐましい徒労を犯して演奏)まで有ったとか?
結局、オクトバスはバカでかすぎて現実的でない(いずれも三弦楽器。特製の大型の弓で演奏)のと、五弦楽器やエクステンションのCマシンの開発(アメリカ)などにより文字通り無用の長物となり泡沫の夢と成り消滅。
五弦楽器のハイブリッド型として通常のEADGにhighC弦を張った五弦楽器にさらにE弦をエクステンションのCマシンを移植手術した強者がいるとか。

また、六弦のコントラバスが国内に一本だけ稼働中。
結局エレベの六弦と同じ調弦。で、下からBEADGC。
ネックの上駒幅はエレベの六弦位で弦間は狭めでした。
件の仏は関西のコントラバス専門店のオリエンテ特注品。
地元では結構話題?になりましたが(クラシック~ジャズ)、結局は東京の某プロジャズ屋(K)さんの元へドナドナしました。
何れも実音で、~チェロ、更にビオラの音域までカバーします
*指板下端実音の最高音はト音譜面上加線のF#~。ギターの1(E)弦の14フレット相当!)

highC弦仕様の五弦楽器では、フランス人の達人、ガルシア・アル・フォンス氏(過去にはコントラバス・ド・オーケストラにも在籍。フランスのトップクラス。フラメンコとジャズ、クラシックがフュージョンした音楽志向)が出色でオススメです。
YouTubeに諸作がアップされています。

長々と乱文失礼しました。

  • 2012/05/17(木) 09:50:20 |
  • URL |
  • たぬき #EvmDRqhQ
  • [ 編集 ]

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